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アドバンス・ケア・プランニング



今回、コラムを担当させて頂く薬剤師の伊波です。

普段、急性期病院で勤務していく中で、『人の命の重み』を考える時間が多く、

『みんなの大切な命について考えるきっかけ』になれればと思います。

Hope for the best, and prepare for the worst (最善を目指して最悪に備える)

近年、高齢多死社会の進行に伴い、在宅や施設での療養や看取りの需要の増大しています。

そこで、あなたは自分の身体に「もしも」のことが起きたらと考えたことがありますか?

あなたは身近な人の命に関わる瞬間に直面した時、代理で意思決定をすることが出来ますか?


人は、いつでも命に関わるような大きな病気や、人に伝えたりすることが出来なくなる時がくる可能性があります。だからこそ、健康な〝いま〟からあなたの大切な人と話し合っておくことで、あなたの考えに沿った治療やケアが受けられる可能性が高くなります。これを「アドバンス・ケア・ プラン ニング」と

題して「人生会議」とも言います。


健康〝いま〟だからこそ、話し合いをしておくことで、万が一あなたの命を脅かすことがあった時に、あなたの大切な人・信頼する人から、あなたの心の声を伝えることができ、負担を減らしてくれることとなるでしょう。では、どのように、「人生会議」を進めて行けばいいか、一緒に考えてみましょう。

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➊​あなたが最期まで大切にしたいことはなんですか?

私自身は、周りの方への感謝や優しさを与える時間だと思って、「ありがとう」を伝えたい

(ものづくりで 形として残したい)、命が尽きる寸前まで、自分の大切な人に対してグリーフケア活動をしたい。

❷「こんな最期だったらいいな」と思うことや「こんな最期は嫌だなと思うこと」は?。

望む最期は「家族や友人が側に居てくれる場所に居たい、感謝を伝えられる場所」

望まない最期は「最後まで点滴やモニターで繋がれ生かされている感覚になるような場所」

❸〝生きることは難しい〟と感じる瞬間や場面はどんなとき?

・自分で自分の事が出来なくなってしまったときや、自分の気持ちを伝えたいときに言葉に出来ないほど身体が弱ってしまったとき。

❹STEP3で考えた〝生きることは難しい〟と感じた時、どのように過ごしたい?

・治療を目的としたケアではなく、一番安心できる場所に帰り穏やかに季節を感じ取れる場所にいたい―あなたにとっての信頼できる人は誰かを考えましょう! あなたの価値観やこれまでの人生観を共有することで、治療やケアに生かしていくことが出来

ます。 ➊自分の考えや気持ちを伝えられなくなった時、それを理解してくれているのは誰ですか? その方を選んだ理由は?

・私の両親。 性格を理解し、状況に応じた〝最高の選択〟を導きながら育ててくれたから。

あなたは、病気で予測される経過や余命(あとどのくらい生きれるかの目安)を知りたいと思

うか?そしてその理由は?

・知りたい。限られた時間の中でも、自分の為に、自分の大切な人の為に何が出来るのかを考えて双方にとって悔いのない時間を作る努力をしたい。

―治療が難しい病気になりコミュニケーションが取れなくなった時、どのような治療を希望? □延命治療(心臓マッサージや人工呼吸器の使用など) ☑緩和治療(苦痛の緩和や自分らしい快適な暮らしに重視)

―してほしい治療やケアは? 例) 髪のセットや入浴、口腔ケア、女性らしさなど身だしなみを整えてほしい。

―してほしくない治療やケアは?

例) 「もの」を扱うような診療やケア、言葉かけ。 ❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀❀




ただ、自分の気持ちが変わることはよくあることです。

それでも、その都度、信頼できる家族や友人または、医療・介護 従事者と話し合っておくこと で

「あなたの命を最期まで自分らしく生き抜くことができるための道筋を作ることができます。

「死」という誰にでも訪れる最大の苦しみの中でも、穏やかにいれることの一つに 『選択できる自由』 があります。

自分の気持ちを大切な方に伝えてみてはどうですか? 震災・事故・病気・天命 大事な人の最期を迎える瞬間が必ずやくるかと思います。 残された遺族が、少しずつ前を向いて幸せな時間を過ごせるように、生きている “いま” を もう一度振り返ってみる時間を共有しあってみることから始めてみましょう。


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