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インフルエンザについて

【毎年必ずやってくるインフルエンザ流行期

インフルエンザの知識は「社会の常識」であって欲しい〜インフルエンザはみんなで協力して戦うもの〜】


①インフルエンザが怖いのはなぜ?

〜普通の風邪とインフルエンザの違い〜

▷驚異的な感染力

毎年学年閉鎖などでニュースになっているため、皆さんも既知のことと思いますが、人へ感染る力が一般的な風邪よりも驚異的に強いです。


▷乳児や高齢者、免疫抑制状態にある方などは重症となりうる。


自己免疫力の弱い方にとっては命に関わる感染症となります。

逆に言えば、多くの子ども〜中高年の方にとっては、自然治癒する風邪と同じです。

問題なのはあなたがかかってしまうことではなく「あなたがかかることで多くの人に広めてしまい、自己免疫力の弱い方の間にも蔓延させてしまうこと!」


②インフルエンザ検査と治療の正しい知識


▷検査で100%インフルエンザを否定は出来ない

→疑わしきは全てインフルエンザとして対応


鼻から棒を突っ込まれる迅速抗原検査は発症24時間程度経過しなければ陽性となりづらく、半日経過後も百発百中ではありません。

100%ではない以上、流行させてしまうリスクを考えると、僕ら医師は検査が陰性でも流行時期には「疑わしい人はみんなインフルエンザ」として対応せざるを得ません。

鼻から棒を突っ込まれて痛い思いしたにも関わらない、陰性でも「あなたはインフルエンザです」と言われる。そんな理不尽な検査受けたくないですよね。


▷タミフル所望は間違い

→多くの場合は効果よりも副作用によるデメリットの方が強い


タミフルなどの抗インフルエンザ薬を服用するメリットがあるのは、乳幼児や高齢者、免疫抑制状態にある方などのみです。

また、発症2日経過すると効果がほとんどなくなります。嘔気嘔吐などの副作用が一定の割合でみられ、それにより口から物を食べたり、水を飲んだり出来なくなり本末転倒になることがあります。


③インフルエンザワクチンは自分を守るために打つのではなく、みんなを守るために打つもの


▷ワクチンのもつ2つの力

「ワクチン打っても結局かかるから意味がない」と話しているのをよく耳にします。

詳細は省きますが、大前提としてワクチンは絶対ではないため、打ってもかかります!

ではなぜ打つことを勧めるのか?

その理由の1つは重症化するのを防ぐため。

そして、もう1つが集団免疫のため。

集団免疫とは個人が打つことで所属する集団がインフルエンザに罹るのを予防するとされます。

つまり、あなたが打つことであなたの周りの人の予防にも繋がります。小さい子どもやおじいちゃん、おばあちゃん、闘病中の方が身近にいる場合には、その方々がインフルエンザに罹ってしまうのを、あなたが年にたった一度のインフルエンザワクチンを接種するだけで、防ぐことに繋がります。


④インフルエンザ流行期に熱などの風邪症状が出た時の適切な対応とは

▷慌てて医療機関受診は間違い


この時期熱が出たらまずすべきことは、「口から水分が摂れるなら」暖かくして休むことです。隔離対応をすること。うがい手洗いマスクと生活環境の消毒をすること(これは熱が出る前、普段からすべきです)。


〜医療機関を受診すべきなのは〜

上記に該当する自己免疫力の弱い方か、口から水分を摂れない程状態が悪い方です。


発熱したインフルエンザ疑いの方が皆受診するとどうなるか想像してみてください。

医療機関の待合室や診察室はインフルエンザウイルスだらけになり、風邪や怪我で受診した人が家にインフルエンザウイルスを持って帰る事態が発生しかねません。また、病院には自己免疫力の弱い方も沢山受診されます。その方々にもあなたが安易に受診することで感染してしまうことになります。


⑤インフルエンザの脅威から多くの人を守るためには


医療者だけではこの問題は解決しません。

まずは上記の様な事実をきちんと皆さんに知って頂くことが、多くの人をインフルエンザの脅威から救うことに繋がります。


もちろんいくら健常で丈夫だからといっても、確かに命に関わることもゼロではありません。(医療が絶対ではなく難しいところ)

それに、インフルエンザにかかると高熱が出てとてもツラいですし、不安になる気持ちも十分に分かります。一人暮らしなんかだと尚更心細くなりますよね。)僕も同じヒトですから経験があります。)

そんな時は受診する前に一度、医療機関にお電話してください。

または、ここで繋がった医療者の友人に連絡して、相談してみてください!

もちろん、僕はいつでも相談をお待ちしてます☺️


インフルエンザは僕たちにとって共通の敵です!

僕たちの敵はインフルエンザに罹っている人や対応に冷たい医療者ではなく、インフルエンザウイルスだけです!

みんなで協力してインフルエンザウイルスと戦いましょう!


著者名:医師 進谷憲亮 


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